Polio ポリオ

JIGHは、2018年までにポリオを世界から根絶するための戦略を策定し、実行しています。

JIGHは、3年以内にポリオを世界から根絶するための戦略を策定し、実行しています。

プロジェクト実施期間

2011年3月~2014年3月

課題

ポリオ(小児まひ)は、パキスタン・アフガニスタン・ナイジェリアの3カ国において依然常在している。これらの国々では何れも紛争や貧困を抱えるなどの政治・社会的な理由から、子どもたちへの予防接種が困難であったり、国際社会のポリオへの関心や資金量の低下によって、ポリオ根絶に向けた足踏み状態が続いている。

戦略

日本の政府開発援助(ODA)は他国のODAと比較して内政干渉をしないことから、ポリオの常在国を含む途上国政府からの信頼が厚い。課題解決の手法として、JIGHは、日本政府に働きかけを行い、日本政府がパキスタン政府に対して約50億円の資金の貸付契約(円借款)を実施、パキスタン政府がポリオ予防接種キャンペーンを着実に実施し、成果が得られた場合、ゲイツ財団がパキスタン政府に代わって日本政府に返済する戦略を立案、実行までの道筋を作った。

実施施策

  • 内閣府及び外務省、財務省、厚労省等関連省庁への課題提起及び課題解決のための戦略提起
  • WHOやUNICEF等の国際機関及びゲイツ財団や国際ロータリー等民間組織との連携
  • 日本政府への働きかけによるグローバルヘルス領域への意識拡大
  • 世界の子どもたちのためにポリオ根絶を目指す議員連盟の立ち上げ
  • 議員連盟参画議員のパキスタン視察
  • アジア太平洋地域ハイレベル会合
    • 【主催】外務省、独立行政法人国際協力機構(JICA)、公益財団法人日本国際交流センター(JCIE)
    • 【特別協賛】一般社団法人日本グローバルヘルス協会(JIGH)、パシフィック・ヘルス・サミット(米国)
    • 【助成・協賛】ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世界銀行、グラクソ・スミスクライン、エクソンモービルジャパン)
  • ポリオ根絶に係る公開イベント
  • 外務省における山根外務副大臣とロンドンブーツ1号2号淳の公開対談
  • チャリティ・レセプション「ポリオサミット」
  • チャリティ・オークション
  • 議員連盟参画議員のビル・ゲイツ氏表敬
  • ポリオ議員連盟の定期的開催(ゲストスピーカー:ゲイツ財団、WHO、米国国際開発庁(USAID)、大和証券など)
  • 第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の機会を捉えたブース出展

成果

日本政府は、2011年8月にパキスタン政府と約50億円の資金の貸付契約(円借款)を締結した。これは「ローン・コンバージョン」という今までにない革新的な手法であり、これによって日本政府は約50億円をパキスタン政府に貸付けてポリオ根絶を支援するだけでなく、ゲイツ財団という民間財団の資金を動員して、パキスタン政府のポリオ根絶に向けた一層の努力を引き出すことが可能となった。

また、2013年3月には、ナイジェリアに対して、UNICEFを通じた約2.6億円の無償資金協力「小児感染症予防計画」を実施することに合意した。これは、緊急のポリオ対策の必要性が高いナイジェリア北部の保健所等に対して、ワクチン保管用の太陽光発電冷蔵庫を400台供与するもの。これによって適切な温度によるワクチンの保管が可能となり、ワクチン輸送・保管体制が確立され、適切な効用を持つワクチンを使用した予防接種が実施されることが期待される。
現在、ナイジェリアはポリオが最も定着している国の一つであり、同国におけるポリオ撲滅は国際社会にとっても重要な課題となっている。

新たな取組

JIGHは現在、ポリオが最も定着している国の一つであるナイジェリアに対するポリオ根絶のための支援強化のための取組みを実施している。
ナイジェリアでは、ポリオウイルスの流行情報を的確に把握する仕組みやワクチン接種をする人材が不足しているほか、一部の地域ではワクチンに対する不信感が流行しているためワクチン接種率が向上しない。これまでの国際社会のポリオ根絶に係る努力を水泡に帰すことのないよう、本年3月に合意した無償資金協力に加えて、更なるナイジェリアに対するポリオ根絶のための支援の強化が必要である。

参考情報

ワクチンの普及により、1988年には125カ国の国でポリオが流行していたのに対し、2012年には、残り3カ国を残すところとなった。現在、ポリオワクチンが必要とされている3カ国は、パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリア。ポリオは、1980年に根絶された天然痘に続く、“根絶可能な病気”といわれている。
しかし、残された国々には、国の経済的問題のほかに紛争による壁がある。紛争状態にあっては活動団体が子どもたちへアクセスすることが極めて困難であり、ワクチン接種を実施することができない。
子どもたちにワクチン接種を行うために必要なこと。
それは、まず、紛争を停止すること。
そこで、日本だからできることがある。平和で友好的な日本は、世界の国からの信頼も高く、私たち日本なら停戦の呼びかけをすることができる。今こそ、私たちこそが、ポリオ根絶のために日本のリーダーシップを発揮するべきなのである。

参考リンク

ポリオ議連サイト

その他のプロジェクト

  • A4GI(アライアンス・フォ・グローバル・インパクト)
  • ポリオ

活動分野

分野横断プロジェクト